ウルトラマンタイガ 第6話 「円盤が来ない」感想

 

 

  星に帰りたいという宇宙人の男と、打倒ウルトラマンをトレギアに依頼された、ガピヤ星人サデスの弟、アベル。E.G.I.S.社長佐々木カナの行動を通じて、2人の宇宙人の行動が一つのシナリオにまとまっていく。ウルトラセブンのエピソード「円盤が来た」を知っていても知らなくても楽しめる傑作回。

 

・星に帰りたい男

  社長が連れてきた男。彼は自分が故郷に帰る術を失った宇宙人だと言うが、どうにも胡散臭い。言っていることは本当なのか、それとも単なる変人なのか疑わしいこの感じは『ガイア』の「遠い町・ウクバール」に登場する永田や、『コスモス』「雪の扉」のトマノ老人を思い出します。要するに太田愛。そう今回のペロリンガ星人周りの話は、雰囲気がなんだか太田愛脚本に似てるんだ。

 

   ちなみに今回この男を演じた高野浩幸さんは『セブン』45話で少年(=ペロリンガ星人)を演じた役者さんだそう。それってやっぱり…………

 

 

・佐々木カナの過去

  今回でE.G.I.S社長のカナが外事X課から離職した理由も語られました。回想に出てきたセミ少女は恐らくもういないでしょうし、4話に続いて宇宙人社会のダークな面が描写された感じですね。  なかなかに辛い過去です。度々来る宇宙人絡みの依頼に難色を示しながらも仕事を破棄しないのは彼女のそんな事情も関係あるのかもしれません。

 

 

・ガピヤ星人アベル

    一方、ガピヤ星人アベルも、兄に負けず濃いキャラでした。ただのオカマキャラかと思いきや、サイボーグになった兄の姿を真似て体を改造したというサイコな設定持ち。快活に見えてどこかぶっ壊れてるのはこの一家の遺伝かなんかなのか。恐えよ。

 

 

 

アベルVSフーマ

  毎回言ってるんですが、今回も戦闘が凄い。なんだアレ(呆然)。タイタス→フーマも必要に応じた使い分けという感じでタイタスにケチがつかず良かったです。タイガは相変わらず割食ってますが。

 

  ビクトリーレットを用いた鋭星光波手裏剣、弓のようでカッコいい。タイガの必殺技もこれくらいの違いがあればいいんですが。ちょっと変化に乏しいですよね現状。

 

 

・星の世界への帰還…

   男は社長と蕎麦を食べにいく約束をした。その日の夜、男が望遠鏡で夜空を眺めていると、ペロリンガ星人が男を迎えにやって来る。地球に生きる意味を見出せず、星の世界に帰ることをずっと望んできた男ですが、社長との約束を希望に、もう少し地球にとどまる事をペロリンガ星人に打ち明ける。

 

  男の正体はやはりペロリンガ星人だったと考えるのが最適でしょうが、このシーンはまるで「円盤が来た」のフクシンくんとペロリンガ星人が再開したようにも見えます。「円盤が来た」のエピローグでは所在なさげなフクシンくんでしたが、彼はその後自分の居場所を見つけられたのでしょうか。そういった部分にも想いを馳せてしまうシーンでもあります。

 

  

  

・まとめ

  まさかこんな突然にペロリンガ星人回が放送するとは思いませんでしたが、個人的にはかなりの良回でした。

  元々「円盤が来た」がセブンのエピソードの中でも上位に来るくらい好きで今回も楽しみにしてたんですが、原点の雰囲気を損なわずまた見直したくなる、それでいてこのエピソードだけ観ても十分楽しめる良いバランスだったと思います。タイガの今後のエピソードも俄然楽しみになりました。