【事前準備編】聖地を巡礼しながら、『天気の子』のどこが好きなのか考えた

 

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            (C)2019 「天気の子」製作委員会

 

 

 

 

・誰もわかってくれないのだ。

 

 

 会社の同期の支倉が言うのだ。

「君の名はに比べてストーリー弱いんだよな」と。

 

 

 

 

 

 

 大学の友達で、4月から教員をやっている田中がツイッターで言うのだ。

「登場人物に全く感情移入出来なかった」と。

 

 

 

 

 

 

 中野の盆踊りの屋台の列で、僕らの前に並んでいたカップルが言うのだ。

「天気の子、全体的に微妙だったよね」と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな声が聞こえてくるたび、僕はブチブチにブチ切れ、フザケンナ、それはキサマラの感性に問題があるんだ!!!!と叫び回った。心の中で。

 口には出せなかった。

 

 

 

 

 というのも、自分でも、『天気の子』の何がそんなに好きなのか、よくわかってなかったからである。

 

 

 

 

 

 これは悔しい、死ぬほど悔しいことだ。好きが嫌いに負けるはずはないのに、僕はすっかり負けている。とてもこのままにはしておけない。

 

 

 

 

 自分の中に確固たる根拠を持ち、ああいった批判的な意見を申す奴らに「それはキサマラの感性の問題だクソァ!」と言えるようになりたい。何か、自分の中の『天気の子』観を確認する方法はないものか。僕は考えた。

 

 

 

 

 

 

・迷ったときは聖地を巡るのだ。

 古来より人は、人生に迷った時、神に祈りたい時に巡礼の旅を行なってきた。日本でも、四国八十八ヶ所巡りなど有名である。

 

 

 そして僕はといえば、今確かに迷いの中にいる。「天気の子つまらん!」という狼のような凶悪な連中に怯える哀れな子羊ちゃんである。

ひょっとして今、巡礼をする良いタイミングなんじゃないだろうか。

 ただ巡礼する聖地はもちろん『天気の子』の舞台となった東京の各地。

聖地巡礼」がダブルミーニングになっていて、我ながら上手いと思ったのだが、どうか?

 

 

 

というわけで、台風19号の過ぎ去った、明くる10月13日、僕は聖地巡礼の旅に出ることにしたのだった。

 

 

 

 

 

・旅には準備が必要なのだ。

 

 聖地巡礼に出る前日、僕は2つの準備をすることにした。

 ちなみにこの日は観測史上最大級の台風19号が関東に上陸した日であり、僕は家から一歩も出ずに準備に取り組むことができた。

 

 

一つ目の準備は、『天気の子』の聖地をマッピングしまくること。

 

 

 

なお、巡礼する聖地の情報については、こちらのサイト様を参照させて頂いた。大変お世話になりました。

 

 

映画「天気の子」 ロケ地紹介※ネタバレ有り 聖地巡礼用マップあり | 気ままなのらねこの部屋www.google.com

 

 

 こちらのサイトを参照しながら、目的地にマークを付けまくる。

 

そうしているうちに、マッピングがすごく狭い範囲、ほとんど山手線の圏内に集中していることに気付く。

 

そう、『天気の子』は都内のすごく狭い範囲が舞台なのだ。

 

 

にも関わらずスケールの小ささを感じさせない(どころかかなり大きく感じる)のは、帆高が東京に感じていたスケールの大きさが現れているからではないだろうか。

範囲としてはすごく小さな舞台であっても、彼らのような少年にとっては大冒険の舞台足りえるのだろう。

 

 

 

 

さて、そんなこんなで巡礼する場所の目星はついた。もう一つ僕が準備として行ったのが、小説版『天気の子』を読むこと。

 

まだ映画がソフト化されていない現在、せめて小説でお話を振り返っておこうと思ったのだ。

 

小説 天気の子 (角川文庫)

小説 天気の子 (角川文庫)

 

 

 

 

展開は映画と全く同じだが、須賀や夏海視点の場面が追加されており、映画を観た人でも一読の価値あり。新海誠の文章もクセがなくてテンポよく読むことが出来た。

 

 

 

お話の感想は【当日編】まで取っておくことにするが、やっぱり僕はこの物語が好きだ。誰が何を言っていようと、やっぱりそれだけは変わらない。

 

 

 

 

 

・打ち切り最終回みたいな朝。

さあ、準備はととのった。後は当日早起きして計画通りに聖地を回るだけだ。必ずや良い旅にしてみせるぞ! という意気込みを抱え込んで、その日は午前2時に眠りについた。

 一日中準備の時間があったとはいえ、つい買ってあった漫画版エヴァンゲリオンを読んだり、止まっていたダンガンロンパの続きをやったりしていたらこんな時間になってしまったのだった。

 

 

まあ、早起きくらい余裕でしょ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日

 

 

 

 

 

 

 

 

起きたら10時半だった。

 

 

 

 

 

 

 

 【当日編】につづく。