思い切って『ウルトラマンタイガ』の気になる点を挙げてみる

ウルトラマンタイガ Blu-ray BOX I

 

 

 

  今年7月から始まった『ウルトラマンタイガ』も、ついに折り返しとなる13話まで放送されました。

 

 

 自分自身、毎週放送を楽しみにしているし、面白いとも思うんですが、一方でこうも思ってしまうんです。

 

 

 

 

「なんか、ちょっと微妙じゃない?」

 

 

 

 

 

   ツイッターで放送後の感想を見ていると、毎回、「嫌いではないんだけど『惜しい』」という感想を持っている方が多い気がします。

  自分もだいたいそんな感想です。

  どうしてこんな感想を抱いてしまうのか、1話〜13までの展開を振り返りながら、その原因と思われるものを、キャラクターに注視しながら書いていきたいと思います。放送後半への期待も込めて。

 

 

 

 

・話に関われないトライスクワッド

 フーマが登場する4話あたりからずっと気になってるのが、シナリオにおけるウルトラマン達の影の薄さ。

 

  キャラの強いウルトラマンが3人も揃っているのに、シナリオを進行するのはあくまでE.G.I.Sとゲストキャラなんですよね。回によっては怪獣出現までほとんど喋らない事もしばしば。

 

 

  もしもの話、ヒロユキに憑依しているのが初代ウルトラマンであっても、グレートであってもマックスであっても、毎話のシナリオに変化ないんじゃないでしょうか。

 

 

  これではE.G.I.Sとトライスクワッドが同じ番組にいる意味がないのではないでしょうか。

  

 

 

・本当にバディ?

  ヒロユキが変身する時に叫ぶ台詞、「バディゴー!」。当然毎回挟まれるシーンですが、この台詞が耳に入るたび小首を傾げたくなる。

 

 

「バディって言えるほど相棒感あったっけ?」と。

 

 

 だって、「バディ」って、相棒って意味ですよ。お互いにとって特別な存在を指す言葉のはずです。

 

   

  しかし『タイガ』のここまでのシナリオを振り返ってみると、ヒロユキとウルトラマン達の関係性を深めるエピソードってほとんどなかったですよね。

  簡単に言ってしまうと、ヒロユキとウルトラマン達との間にドラマがない。

 

 

 

  それでも個人的には、ヒロユキとタイガは相棒感出てると思うんですよね。

  幼少の時から(ヒロユキはその事を知らないまでも)ヒロユキと一緒にいたり、1話での変身前の問答も良かった。

  また、2話では目の前の命を助けたいヒロユキと、被害拡大を防ぐためにまずは怪獣を倒すべきとするタイガとの意見の対立が描写され、その後も度々言い合ったり共に悩んだりしています。

  

  

  その一方で、タイタスとヒロユキ、フーマとヒロユキの関係性はほぼ描写されていないといってもいいでしょう。

  

 

  元々タイガとチームを組んでいたという事実もあり、タイガにくっついて来ただけでヒロユキの事は割とどうでもいいんじゃないのか、という印象も持ってしまいます。

 

  2クール目でタイタス、フーマとヒロユキが関係を深めるエピソードがあるといいなあ。

 

 

 ・『電王』が求められていた?

   ところで、「1人の体に複数のウルトラマンが宿る」、「各ウルトラマンに声優起用」というのを知って、『電王』を連想した方も多いのでは。

 

  ではここで『仮面ライダー電王』の登場人物という『タイガ』の登場人物を比べてみましょう。

 

 

 

  『電王』をよく知らない人もいるかもしれないので、まずはイマジンとはなんなのか、Wikipediaを参照してみましょう。

 

 

未来から2007年にやって来た人類の精神体が、人間のイメージ=記憶により怪人としての肉体を得た姿。過去を都合の良いように改竄し、現在や未来を変えることを最大の目的とする。

 

 

 

 

  要するに、『電王』における怪人達の総称がイマジン、という事です。

ただイマジン達はそれほどしっかりと統率が取れているわけではなく、色々あってドロップアウトしたイマジン達が仮面ライダーの側について戦っている訳ですね。

 

 

  さらに『電王』最大の特徴は、イマジンが仮面ライダーに憑依する事でフォームチェンジができる点。

 

 

  主人公・野上良太郎は電王に変身する資格は有しているものの、戦闘力はからっきし。1人では満足に戦うことができません。

 

  そこで、仲間のイマジンが良太郎に憑依。実体を持たないイマジンに体を貸すことで戦闘を可能にします。

 

なんとなく『タイガ』との共通点が見えて来たのではないでしょうか。

 

 

・イマジンは問題児、ウルトラマンは優等生?!

 

   さて、ではそんなイマジン達は番組内でどのような立ち位置だったのでしょうか。

 結論から言ってしまうと、彼らは作劇上かなり重要なポジションを占めています。

  

 

  イマジンは電王として戦うと同時にトラブルメーカーでもあります。なので何か問題を起こして話の起点になる事も多かったんですよね。そしてそういった問題児達が主人公の良太郎を中心にまとまっていく。

 

 

  イマジンのキャラを立てる事で良太郎のキャラクターもはっきりしていく、理想的なキャラ間の関係性だったと思います。

 

 

  ウルトラマンがもっと話を回していく存在になれば、それに応じてヒロユキのキャラも深みが出てくると思うんですよね。今んとこあまりつかみ所ない気がするし。

 

・トレギア 

  今作通しての悪役、トレギアの立ち位置も賛否別れるところ。個人的にはモヤモヤするところもあり。

 

 

  ベリアルがガンガン戦闘して、やられる時はきっちりやられる「気持ちのいい悪役」なのに対して、トレギアは裏で全ての糸を引いている悪役ですが、やり方がいちいち陰湿なのでスカッとしない毎回のお話と合わせて暗い印象を与えられます。

 

 

  今のところほとんどトレギアの思い通りに事が進んでおり、戦闘力の底も見せていない辺りもモヤモヤする点。そろそろ一回ぶっ飛ばされて欲しいんですが、トライストリウムの登場がそのきっかけになるでしょうか。

 

 

 

・でもやっぱり『タイガ』は面白い!

  という事で、手放しで絶賛する気にはちょっとならない『タイガ』ですが、総集編である13話を観ると、「やっぱりいいじゃんタイガ」という気持ちにさせられます。

 

  戦闘はかっこいいし、キャラも個人単位で見れば尖った奴らばかりで面白い。

 

 

  後半戦も始まったばかりなので、ここから更に面白くなることを願っています。