人生に疲れたら子ども向けアニメを観ろー『かいじゅうステップ ワンダバダ』の場合ー

かいじゅうステップ おはなしえほん ダダちゃんの はつめい (かいじゅうステップおはなしえほん)

 

現在NHK教育にて毎週金曜日に放送されている『かいじゅうステップ ワンダバダ』。

2018年から誌面やグッズ展開されている『かいじゅうステップ』シリーズの5分アニメ版で、主に未就学児向けの内容なのだが、一応ウルトラマンシリーズということで僕も毎週観ている。真剣に。

 

 

こどものかいじゅう達が遊びの中で「悪いことをしたら謝る」、とか「かいじゅうによって得意なことは違う」といったことに気づいて成長していくストーリーとなっており、優しい内容でいかにも子ども向けという感じ。

 

 

でも、子ども向けだからって侮れない、いや、子ども向けだからこそ侮っちゃいけないのだ、と僕は思う。

僕がそう感じたのは第6話「おしゃべり ノーちゃん!」でのダダちゃんの台詞。

 

 

 

・人の悪口で盛り上がるのは悪いこと

 

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かいじゅうステップ公式サイト https://www.kaijustep.com/ より

 

かいじゅうのスキャンダラスな話題が大好きなノーちゃん。

あることないこと言って盛り上がってるのを見たダダちゃんが、「本人のいないところで悪口言うなんて最低だ」と言うのだ。

しかも、優しく諭すような感じではなく、「そんなの当たり前だろ、何バカなことやってんだ」という口調でキツめに怒って言う。

 

 

 

これを聞いて僕はハッとした。まるでこっちまで怒られたような気分だった。

 

 

 

会社でも学校でも、人の悪口言って盛り上がるって結構普通のことだ。僕も、子どもの頃はそういうの苦手だったんだけどなあとは思いながら、社会に出て気づけばその仲間入りをしていた。これもコミュニケーションだと自分を正当化して、自分より出来とか評判の悪い奴がいることに安心して。

 

 

そんなことを当たり前にやってた時にダダちゃんのさっきの台詞を聞いて、本当に恥ずかしくなった。子どもの時に僕がなりたかった大人は、人の悪口言って盛り上がったりしないんじゃないかと考えた。

 

 

 

 

・綺麗事は子ども向けじゃない

思い返してみると、僕の人生はずっと子ども向けの作品に支えられていたように感じる。

幼稚園の頃から引っ込み思案で、「優しい」と周りによく言われていた僕は、当時放送していた『ウルトラマンコスモス』のキャッチコピー(正確には映画版のキャッチコピー)「優しさがあれば、強くもなれる!」を見て「いつか自分もウルトラマンみたいな、強くて優しい人になれるんだ」と勇気づけられた気持ちだった。

映画で少年ムサシがコスモスの手に乗せてもらって空を飛ぶシーンでは、自分もそうやって空を飛んだような気がした。

中学生になってちょっと学校に行けなくなりかけた時には、ウルトラマンネクサスのOP曲『英雄』の、

 

 

闇が怖くてどうする
アイツが怖くてどうする
足踏みしてるだけじゃ
進まない

 

という歌詞を頭の中で何度も繰り返しながら学校に向かったものだ。

高校に入って見始めたプリキュアでは、キュアハッピーの必死で頑張る姿に、諦めず立ち向かっていく事の大切さを学んだ。

 

「ズルしちゃいけない」とか、「友達は大事にしなきゃいけない」とか、大人になった今聞くと綺麗事すぎて恥ずかしくなる。ちょっとぐらい仕方ない、綺麗事で解決できないこともあるって誤魔化したくなる。

でも、仮面ライダークウガ・五代雄介の言葉を借りるなら「綺麗事だからこそ現実にしたい」のだ。綺麗事が綺麗事じゃなくなるように頑張るのが、きっと僕ら大人の役目なんじゃないだろうか。子ども向けアニメは、そんな事を僕に思わせてくれる。

 

 

 

 

・人生に疲れたら子ども向けアニメを観ろ

どんな年代の人も、子どもの頃好きだったアニメや漫画が、それぞれにあると思う。

人生に迷ったとき、自分を見失いそうなときにはその作品を見返して、子どもの頃の気持ちを思い出すといいかもしれない。

きっとあなたが好きだったその作品は、今だからこそ気づける大事なメッセージに溢れているはずだ。