ウルトラマンタイガ 第4話 「群狼の挽歌」 感想
フーマいいよねフーマ。番組背負ってるタイガと圧倒的人気のタイタスに負けず頑張ってほしい。
記念すべきフーマの初登場回………なんだけど正直話がごちゃついてたような気が……
今回の一番の見所はもちろん新ウルトラマン、フーマの活躍だと思うんです。が、エピソードとしてはホマレ先輩の回となっており、この2つの軸が食い合っているというか、上手く融合してないような感覚がありました。
ホマレはヴォルクを止め切れず、デアボリックが暴れ始めますが、そちらは完全にウルトラマンに任せ、ホマレはヴォルクを看取った後霧崎とやりあう形に。一方のヒロユキも今回殆ど蚊帳の外に置かれているので、怪獣退治以上のシナリオを構築できず。
タイガVSデアボリック、ホマレVS霧崎の二つの戦闘を繋ぐのは、唐突に出てきたフーマを封じたペンダントだけという……
恐らくこういう点が、軸が二つあると感じた原因なのかなと思いました。
巨大なウルトラマンと等身大の人間が同じ場所でそれぞれの敵と戦う、というシチュエーションは『オーブ』の「ハードボイルドリバー」を始め、『ジード』でも度々見られた場面なんですが、それを見た時はこんな風には感じなかったんですよね。やっぱりあの場のキャラクター間の関係性が薄かったのが理由なのかなあ。
あるいは、E.G.I.Sに従来の防衛隊のような対怪獣用の装備があれば、ホマレがデアボリックに一発食らわせたりしてお話が上手く融合しそうな感じもしました。まあこれも無い物ねだりというところでしょうか。
こうなるとフーマをメインに据えて物語を展開する方が素直な感じがするんですが、この次の回でピリカ、社長のメイン回と続いていくことを踏まえると、序盤のうちに一気にE.G.I.Sメンバーにスポットを当てておきたい、今しか掘り下げをやるタイミングがない、ということなのかもしれません。
さて、ついついこき下ろしまくってしまいましたが、もちろん素晴らしいところもいっぱいありました。
まず、今回の任侠というか犯罪アクションなテイストは、それ自体が『タイガ』のバラエティー性を高める上で貴重だと思います。多分タイガは毎回異なったテイストに挑戦している感じがするんですが、その中でも「群狼の挽歌」は「濃い」エピソードになるんじゃないでしょうか。
また、今回登場したヴィラン・ギルドの面々もいい味出してます。僕が特に気に入ったのは、町会長に変身している 「変身怪人 ゾリン」。
ヴィラン・ギルドの大物でありながら人間社会において、町のみんなに好かれる町内会長として自然に溶け込んでいました。
このゾリンの描写は、宇宙人たちが既に人間社会の深い部分まで根を張っている事を示しており、本作の宇宙人の設定に深みを与えていると感じました。役を演じられた針原 滋さんの演技も相まって、キャラも立っており素敵でした。また出てほしいくらい。
キャラといえば、フーマも早速目立ちまくってました。登場してからとにかく喋り倒してたイメージがあるので、会話できる敵宇宙人との絡みが今から楽しみです。
また戦闘シーンのクオリティも非常に高かった。タイガの空中戦は何度だって見たくなるし、フーマの高速戦闘も見所満載でした。田口監督はすげえや。
ウルトラマンも3人揃って騒がしくなり、『仮面ライダー電王』のイマジン達を思い出す人達も多かったんじゃないでしょうか。
ただ、イマジン達が元々は敵側の存在であり、キャラとしても良太郎の「悪友」みたいな性格の奴らだったのに対し、ウルトラマン達は根源的に「正義」側の存在で、どこか根っこの部分にいい子ちゃん、優等生的な部分があるんじゃないかと思います。そう考えると、一見似てる両者でも、続いていくうちに違いが出てくるのかな〜とも思ったり。
ついつい筆が乗ってしまったんですが、まあこんなところでしょうか。ホマレ先輩はヒロユキに正体を明かすところでもう一回は見せ場があるはずなんで、そちらにも期待ですね。